甘酒が切れてしまったので今日はお休み。今晩仕込みます。
以前大好きだったパン屋さんのゴボーサラダパンを思い出して、きんぴらチーズトースト作りました。ちょっとちがうけど、やっぱりおいしい(^_^)
そのパン屋さんは古くて小さな建物で、年配の背の高いご主人と小さい奥様のご夫婦が運営していました。
午後遅めに行くと、ご主人が対応してくれて、
「うちは悪い粉は一切使っていないから、子どもでも病人でも食べられる。この前も気仙沼の病院が買いに来たんだ」
とおっしゃるとおり、いつもどれも飽きずにおいしくいただけて、人気がありました。それはきっといい粉を使っていたからでしょう。
お昼に合わせて、何種類ものお惣菜パンが次々に並びます。
常連さんはお目当てのパンが並ぶ時間がわかっていますが、私はその時間を把握するまで時間がかかり、何度も売り切れに遭遇したものでした。
お昼のお惣菜パンのピークが過ぎると、食パンやバターリッチ、ぶどうパンなど大きめのパンが並び始めます。これがまた、おいしかったなあ。焼き立てぶどうパンは、買ってすぐちぎって食べて止まらなくなってしまうのでした。
他にも、焼き菓子やケーキが並んでいました。
ある時、自分用にプラムケーキという洋菓子を買いに行きました。個包装されたしっとりプラム入りパウンドケーキだったかな〜。ご主人が対応してくれました。
「プラムケーキ、2個ください」
「はいよ〜。これは洋酒がたっぷり入っているからね」
「そうですか、おいしいですよね。全部自分で食べます!」
「えっ、2個も食べるの?酔っ払っちゃうよ!」
「大丈夫です、お酒好きだから。楽しみ」
「困った娘だなあ〜」
こんなやり取りを楽しんだこともありました。
街の中心部にあったそのお店は、やがて郊外に移転し、ご夫婦はすでに他界されました。
お子さんご夫婦があとを継がれて、現在もパン屋さんは続いています。
お店の名前は「こんでとらいすゞき」さんです。
こちらの紹介記事でお店のパンなどの様子がわかります。
今流行りのパンではありませんが、あの当時と変わらないパンたちは、愛情いっぱいで値段もやさしく、安心して食べられます。
お店のショーケースは当時のものを使っているので、昔からあるパン屋さんだと思っている方も多いでしょう。実際、移転してから10年以上経っていると思うので、昔からあると言えなくもないかな。
でも、私は、もっと古い時代のステキな時間を懐かしく思います。
大きな街の真ん中に小さなパン屋さんがあったこと、まるで絵本になりそうなそのおんぼろ木造の外見、大きなおじいさんと小さなおばあさんが大切にパンを作ってくれたこと、5つ玉そろばんで会計してくれたこと、そのパンを楽しみに立ち寄った人たちがたくさんいたこと、お惣菜パンを全種類食べたこと、ご褒美にケーキを買ったこと、お店の人とのやり取り、どれも幸せなシーンのひとつひとつとなって、私の記憶に刻まれています。
いい時間を共有していただけたことに心から感謝しています。
久しぶりに、またあのお店のパンを買いに行こう!(^_^)
目玉焼き、ブロッコリー、きんぴらチーズトースト母作全粒粉パン、じゃがいも人参玉ねぎえのき茸コーンミルクスープパセリ。