私は妹との二人姉妹で、おひな様は母が手作りしてくれました。初代おひな様は40年以上前のものです。
母が小さい頃のひな祭りには、母の母(私の祖母)が、家にあるお人形さんをたくさん並べて雛飾りにしてくれたそうです。その話を聞くのが好きでした。なじみのある子たちがかしこまって並んでいる様子は、日常から非日常に切り替わって季節の特別なイベントになったことでしょう。
人形そのものがなくなっても、その時の思い出は消えません。あなたを大切に思っています、という心が、人形というかたちで表現されました。その人形が消えても、元々あった大切な思いは細胞の記憶に残り、いつでも暖かい気持ちを思い出せるようになっています。